Sunday, June 14, 2015

筑波山でホシザキユキノシタの調査

環境危機管理学科の糟谷(きのこ研究室)です。当研究室では主に菌類(きのこやカビなど)に関する研究を行っていますが,野生植物を対象とした卒業研究に取り組んでいる学生もいます。学生が主体的に研究テーマを考え,「こんな研究をしたい」という具体的な相談があった場合は,なるべく学生の希望するテーマで研究ができるようにしています。

今日は,研究室の学生らと茨城県の筑波山に行き,ホシザキユキノシタという植物の調査をしてきました。ホシザキユキノシタは,筑波山の固有植物(つまり地球上で筑波山でしか発見されていない!)で,筑波山の男体山頂付近に自生しており,つくば市の天然記念物に指定されています。当研究室では,茨城県知事と筑波山神社の許可を得たうえで,ミュージアムパーク茨城県自然博物館との共同研究として,4年生の学生1名が,ホシザキユキノシタに関する卒業研究をしています。

ホシザキユキノシタ。円形の葉を持ち,茎が細長く伸び,開花期は6月です。

ホシザキユキノシタは,一般的なユキノシタときわめて類似した形態をしていますが,花の形態がユキノシタと異なっています。ところが,筑波山ではユキノシタとホシザキユキノシタの中間的な花の形態を持つ個体群も存在しており,ホシザキユキノシタの分類学的位置づけは不明確です。このため,学生の卒業研究では,ホシザキユキノシタの分類を再検討することを目的とし,筑波山の自生地で、花の形態的特徴を調査しています。

ホシザキユキノシタの花の拡大。きらめく星のような,あるいは花火のような,可憐な花です。

今日は,卒業研究に取り組んでいる4年生の学生が,3年生の学生に調査方法などをレクチャーしたうえで,複数人で分担し,花の形態的特徴を調査しました。

4年生の学生が,3年生にホシザキユキノシタの特徴や調査方法についてレクチャーしています。

学生が手分けして,男体山頂に自生する個体をひとつひとつ丹念に調べて花の形態を観察し,調査用紙に記録していきます。

地道に観察し,記録します。

ホシザキユキノシタは,山の斜面に自生する個体も多いため,斜面上での調査は大変です。根気のいる作業ですが,慎重に観察し,たくさんのデータをとることができました。 

斜面に生える個体を調べるのは大変ですが,慎重に観察しています。

当研究室では,メンバーが互いに協力し,複数人でのチームワークを大切にして野外調査を行っています。苦労も多いですが,その分だけ,思い出深い経験にもなるのではないでしょうか。

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