このゼミナールでは、学生が各研究室に行き、それぞれの先生の研究に関連した実習を行ないます。環境危機管理学科は物理・化学・生物・地学の先生がそろい、それぞれの実験設備も整っているので、2年生の段階で基礎だけでなく専門性にも特化した幅広い経験を得ることができます。また、フィールドワークを実習に取り入れている先生もいて、とても充実した講義内容となっています。
その中で、手束研究室では水を綺麗にできる無機材料(イオン交換体)の合成を行なっています。この実験を通して、この様な物質合成の分野も環境保全に関わっていることを知ってもらいたいと思っています。
まず一回目は、金属塩水溶液をアルカリ性にすることによって沈殿物を得ます(班毎に異なる物質を合成します)。
透明な溶液がだんだんと濁っていく様子に多くの学生さんが驚きます。殆どの班がpHの調整がなかなかできず途中で不安になりますが、ヒントを出すとどうすれば良いのか気がつく学生さんがちらほらと出てきて実験がスムーズに進むので、クイズ方式でヒントを出したりします。(安全に楽しく学ぶがモットーです。)
合成の様子 |
遠心分離機に入れる前に天秤で遠沈管のバランスをとる作業はなかなかぴったりと合わないので、静かに盛り上がります。(私も、一度でバランスが取れたときはとても良い気分です。)
天秤でバランスをとっている様子 |
沈殿物に水を加えて混ぜている様子 |
洗浄後の沈殿物を時計皿に移している様子 |
このとき試料の様子をよく観察してもらいますが、ほぼ全員が自分の班と他の班の区別がつきません。一見同じ白い粉に見えますがよく見ると違いがあるので、レポートに書いてくれていたらうれしいです。
乾燥後の試料 |
3回目は、X線回折装置を使い目的の物質が合成できているか確認を行ないます。
法律上、2年生の学生さんは装置を使うことができないので、測定をしている様子を見学し、データの解析を行なってもらいます。
X線回折装置 |
さらに興味がある学生さんには、この合成した試料を使って水を綺麗にする実験をしたいと思っていますので声をかけてください。
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