環境危機管理学科きのこ研究室の糟谷大河です。現在,インドに滞在中です。10月7日から10日まで,インドのゴア大学で開催されているアジア菌学会議に参加しています。
アジア菌学会議は,2年に一度,アジアの各国で開催される国際会議で,アジア圏を中心に世界各国から菌学者(きのこやカビなどの研究者)や,菌学を学ぶ学生などが参加します。会議では,口頭やポスターにより研究発表が行われます。もちろん,発表は英語です。当研究室からは,私と大学院生の2名が参加しています。
今回は,10月5日の深夜に成田空港をたち,カタールのドーハ空港経由で,インドのゴアに降り立ちました。
カタール,ドーハ空港にて。一緒に参加した大学院生は,はじめての海外渡航でした。
インドのゴアは,ポルトガルの影響が濃く,キリスト教会が目立つ落ち着いた街です。インドらしからぬ雰囲気です。食事は予想通り,ほぼ毎食カレーです。
ゴアの中心街。ポルトガルの領地であった影響で,コロニアル調な建造物が多いのが特徴です。
ゴアはかつて,イエズス会の本拠地でもあり,フランシスコ・ザビエルもこの地に長く滞在しました。今でもザビエルのミイラがゴアの教会に安置されています。
アジア菌学会議の開会式の様子。ゴア大学のスタジアムで行われました。
アジア菌学会議では,当研究室では以下の2題の研究発表を行いました:
Kasuya T, Nabe M, Mikami M, Hosaka K, Taxonomy of yellowish Leucoagaricus species collected from Japan inferred from morphology and molecular taxonomy.(糟谷大河,名部みち代,三上 愛,保坂健太郎,日本で発見された黄色いシロカラカサタケ属菌の形態および分子系統に基づく分類学的検討)
Kobayashi K, Ando Y, Ono F, Shibahara T, Yoshikawa Y, Kasuya T, Possibility of conidia dispersal of Nomuraea atypicola by feeding of a terrestrial isopod, Armadilidium vulgare.(小林一樹,安藤裕萌,小野文子,柴原壽行,吉川泰弘,糟谷大河,ダンゴムシの摂食によりクモタケの分生子が分散する可能性)
2題目の筆頭演者の小林くんは大学院修士一年で,初の海外渡航&初の国際会議での発表となりました。
初めての国際会議で,がんばって英語でポスター発表をしている小林くん。
初めての英語での研究発表ということで,学生は苦労していたようですが,日本だけでなく,多様な国の菌学者や学生と交流し,とてもよい刺激になったことでしょう。国際会議は10日の午後に閉会式が行われ,私たちはこの日の夜にインドを出発し,またカタール経由で日本に戻る予定です。